水郷、柳川。
詩聖、北原白秋の愛した柳川は、穏やかで豊かな水の都でありました。
アーティストインレジデンスで、7月から9月までの三か月、三橋町の五拾
町にある旧綿貫家住宅に滞在させていただき、作品を制作しました。
夜、お屋敷の中でスマホの電源を切ってはるか昔に思いをはせると、暗く重
厚な空間の中、日本人の美意識と矜持を感じます。意匠をこらされたふすまや
障子、黒い柱と白い壁。掛けられた槍…
。
朝、近所を散歩すると、広々と開けた畑と空に、素晴らしい解放感を感じま
す。掘割には澄んだ水のなかに藻がゆらゆらと揺れ、花が咲き、蝶がとび…。
在住の福岡市と行き来しながら、たくさんの柳川の地のひと・もの・ことに
出会わせていただきました。
私の感じた柳川のうつくしさが、私のつたない作品を通して少しでも伝われ
ば幸いです。
